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悲しみのバス移動《後編》

2015年1月15~19日
無題
ボリビアのウユニからアルゼンチンのメンドーサまでバスで移動中。

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ウユニから夜行バスに揺られて10時間,ボリビアとアルゼンチンの国境の町に到着。
ここから再びバスを探して,メンドーサを目指す。

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こんなに味気ない国境通過も初めてだ。
ちゃんと自転車で走って通過したかった。

ちなみに,アルゼンチン入国の際には食品の持ち込みが厳しいらしい。食材はたくさん持っていたので没収されたりしないか心配していましたが,運良くチェックは激ユル。
検査官との会話は,
検査官「カバンに入っているのは服か?」
 僕 「しー(はい)」
(じゃあ行っていいよ)のジェスチャー終了。カバンを開けさえしない。

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バス乗り場でメンドーサ行きのバスを探して,もう今日の内に国境にあるラキアカの町を出発。
景色,自然,気候,町並みなどなど,どんな風に移り変わっていくのか全くわからないまま,ウユニからメンドーサまで移動し終えてしまうのが,すごく悲しい。

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本当はしんどい思いをして自分の力だけで走らなければならない道なんだと思って窓の外を見ていて罪悪感を感じたり,一方で,向かい風方向に草木が風に吹かれているのを見ると,やっぱりバスでも良かったかなと思ってしまう自分の未熟さに腹が立ったり。
このバス移動の数日間は心底面白くなかった。この先の人生,僕がバックパッカーみたいに,バス移動が主である海外旅行をすることはまず無いでしょう。

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バスに揺られながらボーッと考え事をしていた。
南米終了後,アフリカ大陸をどんな感じで走るか迷っていたけれど,やっぱりちゃんと縦断しようかなと思った。正直アフリカには全く興味がないし,途上国よりも先進国を走りたいという気持ちはあるけれど,なんというか一応世界一周するって言ってる訳やし,もうちょっと頑張らなあかんかなと思って。
まだわからないですけどね。
いろいろめんどくさいトラブルを経て,19日に無事メンドーサに到着。

アルゼンチンという国へ《前編》

2015年1月19日~
無題
バス移動を終えてアルゼンチンのメンドーサという町に着いたところ。

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南米最貧国,ボリビアとの差がすごい。
ヨーロッパみたい。

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街路樹も立派。
完全に雰囲気は先進国。

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本当は自転車でゆっくりと進みながら,途上国から先進国に変わっていく過程を楽しみたかった。
一気にこんな都会まで来てしまったことが,何度も書いているけれど本当に残念。

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そういえばアルゼンチンには“闇両替”っていう中二ごころくすぐるものがある。
理屈はよくわかってないけれど,アルゼンチンではアメリカの100ドル札の値打ちが非常に高くて,このお札を“闇両替”に持っていくと普通のレート以上のお金がもらえるというもの。
具体的に言うと,現在のレートでは普通の銀行だと1ドル8.5アルゼンチンペソなのが,闇両替だと1ドル13.5ペソくらいになる。かなり大きいので旅行者のあいだではアルゼンチンに100ドル札を持っていくのは常識となっている。なぜか50ドル札,20ドル札だとレートが下がったり取り扱ってくれなくなるらしくてそれも意味不明。僕も密かに100ドル札を入手していたので,闇両替でウハウハというわけ。
まあそれでも,そもそものアルゼンチンの物価が高いので,ボリビアよりも出費が抑えられることはまずない。

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メンドーサにも一応メルカド(市場)があるんやけど,僕の知ってるメルカド(市場)ではない。綺麗だし,ゴミも落ちていないし,野良犬もいない。ゴミみたいな値段で売っているゴミみたいな野菜とか果物を探し求めて行くも,僕の望むものはここにはない。
というか値段もスーパーと変わらないし。

アルゼンチンという国へ《後編》

2015年1月19日~
ボリビアからアルゼンチンのメンドーサという町までバスで飛ばしてきたところ。

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アルゼンチンに入って“シエスタ(昼寝)”の文化が登場した。多分南米で初めて見た。
午後1時から5時までは軒並み店が閉まる。おしゃれなカフェは割と開いているけれど,それ以外の店は9割がた閉まる。そして夕方5時以降,店が開きだして再び町が活気づくのである。はっきり言ってむちゃくちゃ迷惑。それやったら夕方5時まで頑張って働いてそれ以降の時間をゆっくり過ごす方が時間の使い方としては絶対有意義やろっていう日本人の常識的な考えはアルゼンチンでは非常識らしい。

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あとアルゼンチンと言えば,なんといっても牛肉。
アルゼンチンの牛肉は安くて美味いって,アルゼンチンから来る旅行者は口を揃えて言っているのをずっと聞いてきた。しかし,正直僕はその言葉を疑っていた。南米で食べてきた牛肉が美味しくなかったからだ。牛,豚,鶏で言えば,牛が一番美味しくない。豚,鶏は美味しい。
なんせ牛は固い。メルカドやスーパーで売っている牛を見ていても,基本赤身しかないので,普通に焼くだけでは固くて美味しく食べられない。はっきり言って食べるまでは正直疑っていたんやけど……,

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アルゼンチンの牛肉は確かに美味かった。
こんなにちゃんと柔らかくて脂身の入った牛肉は多分アメリカ以来。
そして値段もステーキ用の肉で100gで70~100円くらい。
この値段でこの味は確かにみんなが絶賛するのも頷ける。

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メンドーサに来てからは毎日夜は牛。
もはや南米で柔らかい牛肉に出会うことを半ば諦めていたところだったので,ひたすら肉を貪り食う毎日を送っていた。

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総じて先進的なアルゼンチンだけれど,なぜかお札はボロボロ。
破れいているわ,穴はあいているわ,セロハンテープで止めてあるわ,これまでの国の中で最もボロボロ。
そんな国でしたアルゼンチン。

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すみませんがちょっと20日前後,更新が途絶えると思います。

アコンカグア登山 準備編

2015年1月
メンドーサ
アルゼンチンのメンドーサという町にいるわけですが,この町は南米最高峰アコンカグアの最寄りの町でもある。実はこの町にやって来たのは,ボリビアで一緒に登山した人たちとアコンカグアに登るためなのでした。
南米最高峰で調子に乗ってるんやと思うけどアコンカグアに登るのってすごくお金が掛かる。すごくざっくりですが登山に掛かるお金を計算すると,以下のような感じ。

入山料:800ドル
荷上げ用のラバ1頭:100ドル(今回は3人で割ったので一人約30ドルちょい)
装備品レンタル:約400~500ドル
20日分の食料代:約100ドル

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特にレンタル屋が恐ろしく高い。
このボロボロの山用ですらないテント(2~3人用)を20日間借りるのにたしか200ドルくらいしてた。

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3人分の20日間の食料。
アコンカグアに登ろうと思ったら,できるだけ安く抑えても一人1500~2000ドルくらいは掛かると思う。
ちなみにガイドを雇うと3人で割っても一人数百ドルはプラスされるので,今回はガイドは無し(結果から言うと全く必要なかったし,ほとんどの登山者はガイド無しで登っていました)

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入山許可書ゲット。
いろんなところに手続きをしたり,お金を払いに行ったりというめんどくさい作業を経て,出発準備が整う。

アコンカグア登山 その1

〈あらすじ〉
ボリビアで会った日本人旅行者,リョウヘイ氏とアキナリ氏と3人で,標高6963m南米最高峰のアコンカグアに登りに行くことになりました。

2015年1月 (1日目)
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メンドーサの町からバスで3~4時間,アコンカグアの登山口に到着。
アコンカグアに八百長(つくり)の勝負は通用しない。
真剣勝負(シュート)のポーズで入場。


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登山口でお昼ご飯を食べて,初日のキャンプ場まで向かう。
アコンカグアでは通常,10日から2週間程度の時間を掛けて山頂に向かう。
これだけ時間が掛かる理由は,アコンカグアの標高が高いからではなく,とにかく出発地点が低いせい。

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ボリビアで6000mオーバーの山に2回登ったけれど,ボリビアの場合,最寄りの町が標高4000m弱だったため,どっちも2泊3日の短期間で登頂が可能だった。
一方アコンカグアの場合,最寄りのメンドーサの町が標高800mと,とんでもなく低い。
そこから標高2900mの登山口までバスで向かい,そこから登山がスタートすることになる。
ゆっくり高地順応をしていかないといけないため,10日~2週間も時間が掛かってしまうのである。

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3~4時間歩いて最初のキャンプ地,コンフレンシアに到着。
標高は3400mまで上がる。

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山頂までは,ここを含めて4~5個のキャンプ場を経て向かうことになる。


(2日目)
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今日は高地順応のため,周辺のトレッキングをだけの日で先には進まない。
ちょっと高地に行っては戻ってきてを繰り返して高地順応をしていく。

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重い荷物を持っていた昨日とは違って今日は荷物が少なくて快適。

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覚えてないけれど,多分3時間くらい歩いて標高4100m,ミラドール(展望台)に到着。
アコンカグアが見える。ここじゃなくても見えんねんけど。
時々,若干の頭痛の気配を感じるけれど,概ね快調。
ちょっと休憩したのち,来た道を引き返してキャンプ場まで。

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明日は次のキャンプ場に向かうので健康診断を受ける。
測るのは,血中酸素,脈拍,血圧。
注射は無しなのでご心配なく。
体調は問題ないので,当然全員パス。

アコンカグア登山 その2

〈あらすじ〉
南米最高峰アコンカグアに登りに来ました。
とりあえず一個目のキャンプ地コンフレンシアまできたところ。

(3日目)
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今日は今いるコンフレンシアのキャンプ場から,ベースキャンプ,プラサデムーラスまで向かう。
これがむちゃくちゃ大変で,間違いなく前半の難所と呼べる区間。
ベースキャンプまでは距離にして16km,標高は1000mアップする。

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そして荷物が重いんですよ。
20kg以上の荷物を持って歩くんやけど,担ぎなれないバックパックが肩に食い込んで痛い。
そして砂が深くて歩きにくい。

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あと川に阻まれてめんどくさい場所がある。
この地帯を超えるのに結構な時間をくった。

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景色は綺麗です。
今日行くベースキャンプまでの区間がアコンカグア登山の中で一番いい景色だと思う。
ちなみにアコンカグアでは,ベースキャンプまでとか,日帰りから数日程度のトレッキングも可能なので,興味のある人は行ってみてもいいと思います。

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登山口からベースキャンプまではラバ(ムーラ)がある程度の荷物を運んでくれる。

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9時間の死闘の末,ベースキャンプであるプラサデムーラスに到着。
高山病は問題なし。ただとにかく疲れた。


(4日目)
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今日は1日ベースキャンプで休養。
ラバが持ってきてくれた荷物60kgの整理,この先の予定と食料配分を考えたりする。

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夕方に2度目の健康診断をする。
調子は良好なので,当然問題なし。

アコンカグア登山 その3

<あらすじ>
アコンカグアで登山中。
標高4400mのベースキャンプまで登って来ました。

(5日目)
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昨日,ラバに運んでもらっていた荷物60kg(1人当たり20kg)を受け取ったので,荷物が大幅に増えた。
1度に全ての荷物は持てないので,今日は荷物の半分をもう一個上のキャンプ場まで持って行く日。半分の荷物を上のキャンプ場まで持って行ったらまたベースキャンプまで降りてきて寝て,翌朝もう半分を持って再び上まで登るという予定。

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ちょっと登ると ベースキャンプが見渡せる。
大きいテントがたくさんありますが,お金を払うと泊まることができる。

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登ると暖かくなるやろうと思って薄着やったんやけど,標高が上がるにつれてみるみる寒くなってきた。そしてお腹が痛くなってきた。ピンチ。

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むちゃくちゃしんどくなってきて,しまいには足が動かなくなる。
リョウヘイ,アキナリ両氏はとっくに先に進んでいる。
しばらくへばっていたら2人が上から降りてきた。
もう上のキャンプ地に荷物を置いてきたらしい。
僕は動けないので,結局2人に僕の持っていた荷物を持って行ってもらうことに。
すごい迷惑かけてしまった。申し訳ない。

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空のバックで降りる。
ベースキャンプに戻ったあと,どんどん体調が悪化していく。熱も出てきた。


<6日目>
朝,体調は回復せず。
今日はベースキャンプに連泊。
熱っぽさや風邪っぽさもあるけれど,やっぱり下痢がひどい。
僕のせいで貴重な予備日を使うことになってしまい,同行者2人には大変申し訳ない。

高所では高山病対策のため水をたくさん飲まないといけないので,水をガブガブ飲んでるんやけど,ベースキャンプにある飲み水が,
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恐ろしく濁ってるんですよね……。
間違いなくこの水でお腹を壊している。
僕は中南米でも割と水道水とかわき水を飲んできていたので,汚い水耐性には自信があったんやけど,ただの過信だったようです。完全にその過信がアダとなった。

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夕方,下痢の薬を貰いにメディカルセンターに行く。
再び血中酸素,血圧などを測るが数値的には問題なし。
風邪っぽさもマシになってきていたんやけど,一応熱を測ると37度5分と微熱。多分ピーク時は結構な熱があったと思う。そして先生に「ちょっとしんどい」って言ったら当然のことながらドクターストップ。明日は僕一人でもう一日滞在することに。

アコンカグア登山 その4

<あらすじ>
アコンカグアのベースキャンプから上のキャンプ地に登っている最中に急に体調が悪くなる。
無事登ることができるのか?

<7日目>
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リョウヘイ氏,アキナリ氏はこれ以上予備日を使うわけにもいかないので,先に進む。
僕はもう一日ベースキャンプで休養。
明日には出発したい。
なんせこのベースキャンプは居心地悪すぎる。

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山に挟まれた谷間にあるキャンプ地なので,朝日が顔を出すのが9時半とかなり遅い。
日が当たらないとずっと氷点下なので,朝晩がすごく寒い。
昼間は日差しが強くて逆に暑い。テントの中も温室効果でむちゃくちゃ暑くなるので居場所がない。
快適に過ごせるのが日が沈みかける夕方のわずかな時間しかない。


<8日目>
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朝,体調はマシになっている気がしたので出発準備をする。
しかしテントを片付けて,全て荷造りが終わったくらいからだんだんしんどくなってきている気がして,出発して良いのか迷ったあげく,結局とどまることに。
これ以上標高が高い所に行って今の体調で耐えられるとは思えない。
再びテントを設営する。

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やけに風邪が長引いているけれど,多分これはただの風邪ではなく,高山病も合わさって余計にしんどくなってるパターン。出発前に標高800mのメンドーサに1週間くらい滞在していたとは言え,その前まで丸2ヶ月近く標高4000m付近で過ごしてきていて,その間登山で2回も6000mまで行っているにもかかわらず,4000そこそこの標高で高山病とか,戸惑うしかない。

アコンカグア登山 その5

<あらすじ>
体調不良のためベースキャンプに滞在中。
無事出発できるのか?

<9日目>
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朝,体調はバッチリではなかったけれど,もうベースキャンプを出発してしまうことに。
本当に居心地が悪すぎて,ここにいたらいつまで経っても良くなる気がしない。

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歩いていたらそんなに体調の悪さは気にならない。
いい気分転換になって元気になってきた気がする。

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次のキャンプ地カナダにはベースキャンプからかなりゆっくり歩いて3時間で到着。
体調はそんなに悪くはない。
食欲もほんの少し出てきた。


<10日目>
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キャンプカナダの朝。

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そして無残に潰れた僕のテント。
昨夜はものすごい風が吹き荒れていて,テントを固定していたペグ(地面に固定するクギ)が外れた勢いで一気にテントがバタンと倒れてペシャンコになった。テントのポールが数箇所折れて使用不可に。
昨夜はテントに包まる形で過ごす。

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ここから次のキャンプ地にも荷物を2回に分けて登る予定やったんやけど,テントがなくなって軽くなったのでもう1回で行ってしまうことに。

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次のキャンプ地ニドデコンドレスには3~4時間で到着。標高5380m。
風邪の症状はほぼなくなり,回復してきている気もするけれど,まだまだ本調子には程遠い。
下痢が全く良くならないのがキツイ。

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ここで,先を進んでいたアキナリ,リョウヘイ両氏と再会する。
本当はもうちょっと先に進んでいるはずだったのだが,上の天候が悪くてとどまっているらしい。
ちなみにアコンカグアでの天候っていうのはほぼ“風の強さ”のことを指す。
滞在中,雨や雪が降るどころか雲すらほぼ見ていないくらいだったので。
このニドデコンドレスでは天気予報が見れるんやけど,風の強さしか載っていないくらいやし。
僕のテントは潰れて使用不可なので2人のテントに泊まらせてもらう。
本当にいろいろ迷惑を掛けてしまっている。

アコンカグア登山 その6

<あらすじ>
アコンカグアで登山中。
体調は万全ではないながらも,なんとかかんとか最後のキャンプ地『ニドデコンドレス』までやってきた。

<11日目>
昨日ここのキャンプ地で,多分かなりすごい日本人登山家の方に出会った。
倉岡裕之というウィキペディアに載ってるくらいすごい登山家。
イモトがエベレストに登ったとき,ガイドで一緒に登ったという話を聞いてビビった。

そして,倉岡さんは登山に関して素人の僕たちに親切にいろいろ教えてくださったのでした。
僕は,登山の際にはできるだけ標高の高いところに滞在して高地順応していけばいいものと思っていたんやけど,実は一度標高を下げることもすごく大事なのだそう。なぜなら高地では疲れが表に出にくいから。体は疲れているのに,高地では疲れが症状として出にくいので,一度標高を下げて2,3日の休養を挟むのがいいらしい。低地で疲れを出し,それを回復させて万全の体調にしてから登頂を目指すといいよと教えてもらう。

僕たちも,今日はある程度のところまで登ったら一度ベースキャンプまで降りて体調を整えようということになった……はずやったんやけど,なぜか気がついたら「もう今日山頂アタックしてしまったら良くない?」っていう話になってた。
R氏,A氏の2人はもう最終キャンプ地で丸2日滞在しているので,ある程度体力は回復しているけれど,僕は昨日着いたばかり。しかもただでさえ不調で2人よりも体力的に劣っている状態なのに,

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って思ったけど,とりあえず僕も一緒にアタックすることにした。
風邪の症状はだいぶ無くなってきて僕自身回復してきていると思っていたけれど,2人と一緒に歩いて,体力的にはまだまだ全然回復していないことを痛感した。
数日前まで同じペースで歩いていたこの2人の,半分くらいのペースでしか歩けない。

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ニドデコンドレスから少し上にあるキャンプ地ベルリン。
本当はここに泊まることもできるんやけど,超強風地帯のためテントが風で飛ばされることがあるらしく,僕たちはビビって使わなかった。
あまりに2人とペースが違うためここで2人と別れ,僕は一人で進むことに。

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とにかく風が強い。
周りの岩が強風を受け,波や滝の音にも似た轟音が鳴り続けている。

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約標高6300m地点,この斜面を登っている最中に,気力が尽き,足が止まる。
小一時間ただボーッと座り込む。
しばらくして,すごい登山家の倉岡さんが登ってこられ,少し話す。
今の僕の状態を話すと,今すぐ降りた方がいいと言われる。
もはや登る気力は残っていないので降りる。

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降りながら,景色が綺麗だなと思った。
当然登っている時も見ていた景色だったけれど,苦痛から解放された状態で見る景色はそれまでと違って見えた。泣きながら足を進める。

夕方,朝のキャンプ地に戻る。
りょうへいさん,あきなりさんの2人がキャンプ地に戻ってきたのは夜9時前。
無事山頂には到達できたそう。
しかし恐ろしく疲弊した様子。
それを見て,「僕には絶対に無理や」って思った。
万全の状態ならまだしも,彼らの半分程度のスピードでしか歩けない今の僕に登れるわけがない。

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