先日2017年11月19日、世界一周自転車旅を無事終えて、帰宅しました。
2013年6月10日にアラスカを出発して約4年5ヶ月。
2回の一時帰国期間が合わせて9ヶ月くらいあるので、それを除くと海外を走っていた期間は3年8ヶ月くらい。
国数は数え間違えていなければ54カ国。
走行距離は6万6千kmくらい。
途中、バス、電車、飛行機を使ったこともありますが、地球の周囲が約4万kmなので、距離的には1周半ほど走ったことになります。
帰国してから、いろんな人と会いました。
たくさんの人がすごいねと褒めてくれるので、自分でも、ひょっとしてすごいことをしたのかなと錯覚しそうになります。僕がしていたことはあくまでも自転車を漕いでいただけで、誰にでもできること。こんな簡単なことなのに、ただ長く続けていたというだけでこんなに褒めてもらえるものなのかと不思議な感じがします。
終わってみて思うのは、僕は恵まれていたな、ということ。
まずこの年齢(27~32歳に掛けて)で、満足いくまで好きなことができるという環境が素晴らしく恵まれていた。
一番大きかったのは日本(先進国)に生まれたこと、他にも家族の理解があったこと、一部装備品の支援をしてもらえたこと、などなど。やはり年単位の海外自転車旅に出発することはそう簡単ではないし、恵まれた環境にないと難しいことだと思います。
そう考えると、長期自転車旅において最大の難関は、出発する準備を整えるまでと言えるのかも。日本での生活を清算し自由の身となり、数年間日本を離れる準備をするわけですから。出発さえしてしまえば、煩わしいすべてのことから解放されて、あとは自転車を漕ぐのみ。
また旅行中のトラブルに関しても、恵まれていたというか幸運だったなと思うのが、強盗等の対人の大きなトラブルがほとんどなかったこと。人の悪意によるトラブルだと、恐らくずっと根に持ち続けるだろうし、その国のことも嫌いになっていると思います。
自然災害での大きなトラブルでは、ケニアを走行中に鉄砲水にテントや荷物を流されてしまったことや、サハラ砂漠で強風によってテントが飛ばされて、追いかけっこをした末に追いつけずそのまま紛失、なんてことがありました。これなら悪いのは自分なのであきらめが付く。それに今ではいい話のネタになってくれているので、僕にとっては、どちらかというと愉快な良い思い出です。
続いてこのブログの今後について。
ブログの更新や、次の自転車旅の予定はあるのか。
これに関しては、恐らく両方とも無いと思います。
まず前提として、僕は決して「冒険家」ではないということ。
僕にとって自転車世界一周は小さいころからの夢でも、人生の大きなテーマでも、人生を掛けて取り組むべきものでもありません。あくまでも趣味のひとつであり、これ以上遊んでいると本当に僕の人生に影響を及ぼしかねないので。(一応まだ大丈夫なつもりです)
例えばお盆や年末年始の休暇に海外旅行に行く人もいると思いますが、僕の場合、自分で休みの期間を設定したため長期になっただけで、基本的にしていることは同じだと思っています。休みが終われば普通の生活に戻り、普通に働きます。
よく人から、「これだけ長い間旅行していて社会復帰できるの?」なんて言われたりもしますが、これもそんなに心配はしていません。僕はいわゆる「バックパッカー」的な放浪癖があるわけでも無いし、一つの土地にずっと居られない性分でもないし、もともと海外に憧れがあったわけでもありません。普通に日本で社会復帰できると思います。たぶん。
旅行中も別にだらけていたわけではなく、毎朝6時とかに起きて、ご飯を炊いて支度をして、8時には走り始めたりしていたので。
ブログの更新については、何かまとめのようなことを書いていこうかとも思いましたが、これももういいかなと思っています。僕に書けることはすでに書いてきましたし。もちろん、もう断固書かないと決めているわけではないので、何か書きたいことを思いつけば書きます。
また、何か質問等ありましたら、ブログ(PC画面版)にメールフォームがありますので、そちらから送信して頂ければ、僕に答えられることは答えると思います。
このブログも徐々に情報が古くなり、次第に価値が落ちてくることになるかと思いますが、現時点ではそれなりに有益な情報を残せたかなと思います。
特に今回のアジア横断のルート、中国(新疆ウイグル自治区)~モンゴル~中国(北京周辺の東部)の走行情報に関しては、これまで詳しく書かれた日本人のブログが無かったので、わりと価値が高いのではと思っています。
基本的に僕の中で自転車旅はあくまで一人で楽しむものであって、その楽しさを人と共有したいとか、自転車旅がもっとたくさんの人に親しまれればいいのにといった想いはそれほどありません。それはやっぱり自転車旅は向き不向きが大きくて、万人が楽しめる趣味ではないと思っているから。
でもだからこそ、自分と同じように自転車旅が好きで、楽しんでいる人の姿を見るとうれしくなるし、応援したい気持ちになります。そういう人たちにとって、このブログの情報が少しでも手助けになればと思います。
2017年12月
- 関連記事
-
管理人のみ閲覧できます