そして起こった悲劇

2016年1月18日(夜)
ナイロビを出発した日の夕方、雨が降り出したタイミングで、運良く道路の下に雨をしのげる場所を見つける。テントを張り終える頃には、いよいよ雨が本降りになる。ちゃんと雨を凌げるところが見つかって良かった。テントに入り、クッキーを食べながらパソコンで漫画を読む幸せのひと時。

漫画の展開も佳境に差し掛かった午後7時ごろ。

突然、テントを強く押される感覚。
最初は突風かと思った。
でもそれにしてはやけに押す力が強い。

テントの外を確認しようと、ファスナーを開けた途端、大量の水がテントの中に流れ込んできた。
いやいや、意味が分からん。

その場所は川になっていたわけではないし、近くに川があるわけでもない。
川が枯れた跡地でもなくて、水が流れていた形跡は一切なかった。
それが、今テントの周りを見渡すと、完全に川になっている。
状況が全然飲み込めない。

この辺りの地形はほぼ平らで、ほとんど起伏などなかったんですが、この場所はちょっとした下り坂、上り坂に挟まれた谷になっている場所だった。そこに雨が降って,1か所に集まった水が押し寄せてきたということなのか。鉄砲水っていうやつ。

戸惑う僕をよそに瞬く間に水量は増えていき、ついにテントごと流される。「ちょっと待って、ヤバいヤバい」って思っている内に、あっという間に10mくらい流されている。ほんまヤバい、死ぬ。とりあえずテントから抜け出して、テントを岸まで引っ張ろうとするのだが、水の流れが強く、知らん間にテントから手を放していた。貴重品の入りのバッグ類と共にあっという間にはるか彼方へ。日没後で真っ暗なので、どこへ行ったかは全く見えない。

僕を追って後から流されてきた自転車はなんとか確保できた。自転車を引っ張りながら命からがら岸へ上がる。結構流されたので、道路まで戻るのが大変だった。靴も当然流されているので、裸足でトゲを踏み、あちこち擦り傷、切り傷を作りながら幹線道路へ復帰。アフリカとか乾燥地帯の植物ってなぜかトゲがあるものが多いんですよね。裸足はムリ。

辺りは街頭や町の明かりは一切無し。裸足で全身びしょびしょの状態で自転車を押しているかなり怪しい姿ではあったけれど、手を振るとトラックが止まってくれた。近くの町にある家まで帰るところだそうだ。事情を説明すると、家まで連れて行ってくれた。その夜は彼の家に泊めてもらう。親切な人に助けてもらいました。

家で火鉢に当たらせてもらい暖を取る。この時の僕の心の中を占めるのは、「これって保険で請求できんのかな」ってことでした。全部保険申請してお金が帰ってくるのならまだ頑張れる。

以下、今回の被害について。

普段、野宿をするときはテントの中に全てのバッグを持ち込むのですが、今日は人気のない場所での野宿だったので、5つ取り付けている自転車バッグの内、比較的どうでもいいものが入っている2つのバッグは自転車に付けたままににしていました。なので、そのどうでもいい2つのバッグは自転車と共に救出できました。

テントの中に入れていて一緒に流されたのをざっと書くと、財布、パスポートなどの貴重品類、保険やらなんやかんやの書類、カメラなど電子機器類、キャンプ用品、洗面用具、食料くらい。あと現金で持っていた800ドルが何気に一番痛いかもしれない。現金は保険請求できないし。

逆に助かった持ち物は、着替えの一部、救急セット、工具類など。
濡れた服から着替えることができたし、救急セットで怪我の手当てもできた。貴重なものではないけれど、このとき必要なものが上手いこと残ってくれたなと思った。

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